株式会社は上場している市場によりランク付けされている
大企業は多くの企業が株式会社という形で株式を発行することで投資家から資金を調達しており、それを設備投資や販売促進などの事業運営に利用します。
その株式の価値は会社の資本が源泉になっているので、会社の業績が向上すればそれに伴って株式価値も様々な投資家に取引がされる中で上昇していきます。
東証はその株式が取引されている場所です。
東証は東京証券取引所の略称で、その中でも企業の規模などによって上場することが出来る市場がランク付けされています。
もっとも頂点に東証一部が君臨していて、その他(東証二部、ジャスダック、マザーズ)は昔は序列があったものの今はほぼ横並びといっていいと思います。
東証一部上場はステータスなのか
恐らく就活を始めたらすぐ分かると思いますが、企業説明会で担当者は自社が東証一部に属しているという事実を強く押してきます。
一部上場企業の上場要件
- 株主数2200人以上
- 時価総額220億円以上
- 流通株式数2万単位以上
一部上場企業は全上場企業のうち60%を占めています。めっちゃ多いですね。
では一部上場企業が世間で持て囃されているかというと、そもそも株式市場に上場できていること自体が企業という括りでみると相当に凄いことなのです。
中小企業が全企業の99%以上を占める
経済産業省ウェブサイトで公表されている中小企業白書によると中小企業380万社に対し、大企業は1.1万社しかありません。
この1.1万社の大企業にはそもそも上場していないモノも含まれています。日本取引所グループJPXの公表では全上場企業が約3600社で、東証一部には2130社です。
つまり企業の説明担当者が東証一部を連呼する意味はこういうことです。
「当社は日本にある380万の企業の中で、選び抜かれた2000社に入っているんだぞ」
東証一部上場は社員にとって好待遇か
実際に就活をする我々にとって東証一部であるメリットがあるか検証します。やはり先立つのは給与面ということで、企業規模毎に給与を見ていきましょう。
国税庁ウェブサイトの〔企業規模別の平均給与〕では資本金額によって会社規模を分類し、規模毎に平均給与を発表しています。
男女共に発表されていますが、いくぶん女性の平均給与が低い。これは育児・結婚などの大きなイベントが多数あり、正社員で仕事が続けづらいことが原因だと思います。
男性のデータで資本金2000万未満の小規模企業と 資本金10億円以上の大企業を比べます。すると月給はさほど変わらないものの、賞与額が637⇒2005(千円)と差が出ていることがわかります。
また平均勤続年数が長いことから、身体に無理がこないため辞めようという気にならないと推測できます。
結論:会社規模が大きいことのメリット
- 月々の給与=大差なし、賞与=小規模の三倍以上
- 平均勤続年数が上昇=ホワイトで働きやすい
就活で一部上場企業を狙うときは時価総額を確認しよう
冒頭で上場企業に占める一部上場企業が60%もあるとお話ししました。
そこにはトヨタのような超大企業もあれば、ギリギリ上場条件を満たす企業もある。
いわば玉石混合の状態であり、わざわざ一部市場として線引きしている意味が薄れてきています。
これを東証も問題視しており、株式時価総額500億円や1000億円などに上場条件を引き上げることで真に大企業のみに一部上場を絞ろうという議論が現在進行形でなされています。
上場条件が引き上げらることは私としてはほぼ確実だと思います。
そうなれば半分の企業が一部から転げ落ちると予測されており、就活性からすれば入社したら東証一部じゃなくなったという事態になりかねないです。
従ってネームバリューや待遇にこだわるのなら、有価証券報告書等で業績や規模をチェックし、時価総額1000億円以上の企業を狙っていきましょう。
東証一部の他にも市場は存在する
東証一部が頂点に君臨しており、その下には東証二部やジャスダックといった市場が存在しています。これらの市場に上場しているだけでもステータスです。
詳しくは以下の記事で解説しているのでよろしければご覧ください。
中小企業と大企業・上場企業には定義がある