ふるさと納税で得する方法とは

数年前に巷で騒ぎになっていたふるさと納税。返礼品が豪華になりすぎて規制が入ったニュースもありました。

しかし返礼品の返金率が下がった今でも人気は衰えることを知りません。本稿ではふるさと納税制度をしっかり活用するための方法を書いていきます。

制度的にあまりに納税者に有利なので、将来的にふるさと納税が廃止されたりする可能性も十分考えられます。ブドウ、高級肉、ウニ……普段は食べられないような高級食材が返礼品として並んでいます。

寄付という名の税金で商品が貰えるふるさと納税

納税という名前ですが、要するにどこかの地域の自治体へ寄付することです。

個人が寄付という善行を行ったら、寄付を貰った自治体が寄付金の受領書を出してくれます。

それを税務署に申告すると、寄付した額程度はその年に払わねばならない所得税や住民税から軽減しますよという制度です(勿論寄付した全額が軽減される訳ではありません)。

徐々に翌年に支払う税金と相殺する形で寄付額分が返ってくるため、寄付したお金は実際に手元からなくなってしまうことに注意です。

返礼品合戦になったのは偶然

寄付金をいかに効率よく集めるかと地方自治体が頭を捻った結果、「そうや、返礼品を送ればええんや」という鬼がかった思考に辿り着きました。これがふるさと納税戦乱時代の幕開けです。

そして寄付先として人気を集めるために返礼品もどんどん高額な品物にシフトしていきました。ここでお金の流れを考えてみると、ふるさと納税って「国税で地方の品物を購入している」という形になっています。下記みたいな感じです。

地方自治体「うちの品物を買って貰って純粋な寄付まで貰える。めちゃ嬉しい」
ふるさと納税者  「税金に消えるはずの金で美味しい品物が貰える。嬉しい」
国・納税者のいる自治体      「税収が単純に減った。めっちゃ悲しい」

個人的には地方が活況になっていいと思いますが、すこしでも国民から金を吸い上げたい国がそんな税収が減る制度を野放しにしません。

実際、国はすぐさま寄付に対する返礼品の上限額や種類に制限を設けて鎮静化を計りました。

鎮静化による返礼品の変化

返礼品の還元率が30%以下に

還元率30%を超える返礼品を出す団体に寄付をした場合、ふるさと納税としての税金優遇が受けられなくなります。つまり恐ろしいことに純粋な寄付となります。

実際に、大阪府泉佐野市 や 佐賀県みやき町など5団体は30%以上の返礼を続けたためふるさと納税の税金優遇プログラムから除外されました。

我々がふるさと納税をする場合は、さとふるやふるさとプラスなどのふるさと納税サイトを用いましょう。これらのサイトには税金優遇が受けられなくなった案件は記載していないので安心してください。

地場産品以外の返礼品が禁止に

アマゾンギフト券や商品券は人気のふるさと納税先でしたが、いまや全て姿を消しました。

現在残っている商品券は”地元”での利用を念頭に置いた商品券だけです。地元で利用するための商品券は地場産業が潤うことに繋がるので許可されています。

ふるさと納税は2000円で複数の返礼品を貰える

上手く上限内で寄付額を調整すれば自己負担金として2000円払うだけで美味しい返礼品が沢山食べられます。上限を突破すると足が出た分だけ自己負担額が増えるので気を付けましょう。

2000円で済むように寄付額を抑えるには、今年の1-12月の年収を予想しておく必要があります。社会人3年目以降であれば源泉徴収票をみれば、寄付上限額算出に必要な情報が全て書かれています

この通知書だけでふるさと納税サイトにて詳細な上限額を算出することができます。

また掛けている生命保険料や地震保険料などで上限額は変化するため、詳しく計算しておくことが肝心です。

源泉徴収票と保険料金の明細を用意したうえでこちらのサイト様で詳細な寄付上限額の計算を行うことができます。

下記に総務省が発行しているふるさと納税の目安を記載しておきます。大抵の新社会人が当てはまる年収300-600万円までの年収のみ抜粋しております。

総務省サイトより引用 ふるさと納税額(年間上限)の目安
http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_zeisei/czaisei/czaisei_seido/furusato/mechanism/deduction.html

ふるさと納税を行う方本人の給与収入 ふるさと納税を行う方の家族構成
独身又は共働き※1 夫婦※2 共働き+子1人(高校生※3) 共働き+子1人(大学生※3) 夫婦+子1人(高校生) 共働き+子2人(大学生と高校生) 夫婦+子2人(大学生と高校生)
300万円 28,000 19,000 19,000 15,000 11,000 7,000
325万円 31,000 23,000 23,000 18,000 14,000 10,000 3,000
350万円 34,000 26,000 26,000 22,000 18,000 13,000 5,000
375万円 38,000 29,000 29,000 25,000 21,000 17,000 8,000
400万円 42,000 33,000 33,000 29,000 25,000 21,000 12,000
425万円 45,000 37,000 37,000 33,000 29,000 24,000 16,000
450万円 52,000 41,000 41,000 37,000 33,000 28,000 20,000
475万円 56,000 45,000 45,000 40,000 36,000 32,000 24,000
500万円 61,000 49,000 49,000 44,000 40,000 36,000 28,000
525万円 65,000 56,000 56,000 49,000 44,000 40,000 31,000
550万円 69,000 60,000 60,000 57,000 48,000 44,000 35,000
575万円 73,000 64,000 64,000 61,000 56,000 48,000 39,000
600万円 77,000 69,000 69,000 66,000 60,000 57,000 43,000

ふるさと納税の5つの手順

ふるさと納税を簡単に完了させる5ステップ

新卒1年目は2万円程度のふるさと納税に抑えておくのが無難

ふるさと納税は所得に対する税金が控除されます。

所得が多いほど納税額も多いため、性質上は所得が多い人ほどたくさんの返礼品をお得に貰うことが出来ます。金持ちはさらに富むというのと同じ理論ですね。

ふるさと納税で控除されるのは、納税した年の1-12月までの所得に対する税金です。つまり新卒4月入社の場合、その年の所得は4-12月という9か月分になってしまうため不利になります。

新卒で初年度にふるさと納税を行う場合、一般的な大卒者で250-300万円ほどの年収になると予想されます

したがって入社1年目では寄付額を20000円に抑えるのが確実に自己負担金2000円で済む範囲です。

ワンストップ特例制度でふるさと納税を便利に利用

ふるさと納税をする方の殆どがサラリーマン、つまり給与所得者です。給与に対して発生する所得税や住民税は全て会社が管理して払ってくれています。

したがってサラリーマンは確定申告という行為になれていません。

筆者も人生で一度も経験したことはございません。確定申告は煩雑な手続きなのでワンストップ特例制度を利用すべきです。

ワンストップ特定制度とは

マイナンバーと身分証明書のコピーを添えてワンストップ特例申請用紙を納税した団体へ送付すると、 受領した納税額をその人に代わって国に報告してくれる制度です。

自動で確定申告されているようなイメージです。

注意すべきは団体から国に報告するという性質上、複数の団体に寄付をしたときにはすべての団体に対して申請書を提出する必要があります。

またワンストップ特例申請用紙を送付してくれない団体の場合、申請書を自分で用意して送り付ける必要があります。この場合は切手代で何百円か掛かったりしてしまいますが、背に腹は代えられないので我慢して払いましょう。

ワンストップ特例制度の申請は提出期限がある

2019年にふるさと納税をすると、2020年1月10日までにすべてのワンストップ特例制度申請書を出し切らねばならない。これを逃すとワンストップ特例制度は利用できなくなる。

しかし、まだ確定申告という手段が残っている。確定申告書類を揃えて2020年3月15日までに確定申告を行えばワンストップ特例制度と同じく税金の控除を受けられる

この3月15日が事実上のラストデッドラインです。

この日までにいずれかの手続きができなければ2019年に行ったふるさと納税はただの寄付になり、何も戻ってこなくなります

確定申告の書き方はとても複雑

確定申告は書類の準備や申請手順が煩雑で面倒です。しかしワンストップ特例制度の提出(翌年の1月10日までに寄付団体必着)に間に合わなかった場合、還付金を受け取るには確定申告するしか手がありません。

自ら確定申告する場合にどのような手順を辿るのか簡単にひも解いていきます。

ふるさと納税での確定申告手順

確定申告は(確定申告書の作成 ⇒ 税務署での確定申告)という2ステップで完了します。

現在はe-Taxから申告書を作成して電子上で確定申告を終わらせることができます。しかしe-Taxは慣れている人でも操作が困難という声が多く聞こえてくるほど分かりにくく難解です。

初めての確定申告では確定申告書を作成して税務署に持っていく方が堅実です。職員に記入漏れなどを指摘してもらえたり、書き方が分からないところの指南もしてもらえるからです。

確定申告書の作成は煩雑でとても面倒

ふるさと納税でワンストップ制度を使わず確定申告をしようとすると、寄付上限額の算出で用いた源泉徴収票に書かれている金額を申請用書類に落とし込むという作業が必要です。

この作業は国税庁の確定申告サイトにて行うことができますが、細かい数字を入力するステップが10回ほどあるため、初めてだと数時間は掛かってしまうでしょう

確定申告で税務署にいっても待たされる

やっとサイトでの入力が終わると税務署に行くのですが、確定申告の提出会場はびっくりするほど混みあっています。これは一人の確定申告者窓口に対して職員の対応が3-4分も掛かってしまうことに起因します。

結果、何時間も待たされた挙句に記入漏れで列に並びなおすという悲劇もちょくちょく起きます。

ふるさと納税は制度的におかしいけど使わねば損

ふるさと納税で2000円ぽっきりで沢山の返礼品を貰うために寄付上限額の算出方法やワンストップ特例制度の申し込み時の注意点を紹介しました。

好きな商品を選んで寄付を行ってから、寄付した団体にワンストップ特例申請書類を送り付けるだけで美味しい食べ物がお得にいっぱいもらえます。

このお得制度を使って豊かな食卓を目指しましょう 笑

最後に、ワンストップ特例制度は絶対に年内に送付するようにしよう!

これだけ忘れなければ大丈夫です。

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