ハローワークでできること

よく正規の仕事をみつけるためにハローワークにいくイメージがあります。しかし実際に新卒が就活をするときはマイナビやリクナビ、企業のホームページから直接的にエントリーをします。

では巷でよく聞くハローワークとは具体体にどういった場所なのか、記述していきたいと思います。多くの人はハローワークの施設に入ったこともないと思いますので。

ハローワークは職業紹介だけじゃない

国によって運営されている施設で、正式には公共職業安定所と呼ばれています。お堅い名前なのでハローワークと俗称として呼ばれています。業務としては職業の斡旋事業を行っており、厚生労働省が管轄しています。

国営なので求人掲載側も労働者側も使用料は無料です。だからハローワークでは誰でも無料で広告を出すことができます

しかも初めてシステムを使った企業に奨励金まで出る仕組みになっているのをご存じでしょうか。これはハローワークに「雇用を守るセーフティネット」としての側面があるからです。

つまり企業にとっては求人を出す=ノーリスクで利益が入る

そりゃあ求人にお金を出す余裕のないブラックな企業の募集もたくさん載るわけですね。

ハローワークで就職活動はできるか

さて新卒生の皆さんが就活をする際に「まずハローワークにいくぞ!」となるでしょうか。いや、なりませんよね。マイナビやリクナビといった就職サイトを利用したり、企業HPから直接応募したりするはずです。

ハローワークに載っている求人の質はブラックが基本です。したがって就職活動は「できない」といえます。

ハローワークで斡旋している就職先は利用しないほうがいいといえます。ホワイトと呼ばれるようなマトモな求人は殆どないと理解しておきましょう。

新卒応援ハローワークは新卒生にオススメ

新卒応援ハローワークは大卒や高卒などの学歴に関係なく新卒で就職したい人を支援する無料サービスです。新卒者を迎えてくれるのは、企業の元労務担当者やキャリアコンサル資格者などの信頼のおける人々です。

就活の進め方やエントリーシートやESの添削などに付き合ってくれる頼もしい存在になります。もし周りに添削してくれる人がいなければ、新卒応援ハローワークは利用価値の高いサービスです。

一回目に担当してくれた人が継続して相談に乗ってくれるため、スムーズに悩みが解消されやすいというメリットもあります。大学の就職相談室のようなモノですが、ハローワークにいる人はまた違った目線でアドバイスをくれるので為になると思います。

・ハローワークに掲載されているのはブラックな求人案件が多い

・新卒応援ハローワーク窓口では信頼できる人間が面接練習に付き合ってくれる

ハローワークとエージェントの違い

マイナビやリクナビなどのエージェントも同じく無料ですが、彼らは掲載企業から掲載料やシステム利用料などを貰って運営しています

求人情報を掲載する側からすると、エージェントは採用コストがかさんでしまいます。

したがって資金繰りが厳しい中小企業などの求人はハローワークに並べられています。掲載が無料なので何年でも掲載してもらうことも可能ですので。

またwebで運用されている転職エージェントと違って、ポストに勝手に投函される仕事情報誌といった媒体もあります。こちらもハローワークと違って求人を出すには掲載費を払う必要があります。以下に各求人媒体における特徴を纏めました。

ハローワーク求人広告エージェント
情報量
虚偽記載の有無
空求人の有無
求職者使用料(労働者)
求人掲載料(企業)
事業者への支援金

ホワイト企業はハローワークには求人を出さない

ハローワークは”採用にコストを掛けたくない企業”が求人を行っている場所です。

会社の行う事業の成否はその担当者の手腕に掛かっています。とくに営業などの利益に直結する仕事では、担当する人間がヘマをすれば計上できるはずだった数億、数十億という売上がなくなってしまうのです。

いかに優れた段取り、手回しなどが出来るかが勝負のカギを握っています。まさに人材は売上を生み出すエンジン。そこにお金を掛けないのは、確実に経営が芳しくない企業と断定できます。

マトモな会社はいかに人材の質が企業にとって大事かを知っているため、転職エージェントにお金を惜しまず払って良質な人材を確保します。ちなみにマトモな企業とはしっかり36協定を守るホワイト企業のことです。

働きやすい環境を探すならハローワークの求人は利用するべきではありません。転職エージェントを利用しましょう。

エージェントに利用料がない理由

マイナビやリクナビ、就活会議といったエージェントは企業とのマッチングしてくれるサイトですが、求職者の利用料は必要ありません。これは我々がサイト登録時に入力する情報が彼らの貴重な商売道具となっているからです。

2019年8月、リクナビで学生の個人情報を企業に売り渡していた問題が取り沙汰されました。これはリクナビに登録した学生の情報を内定辞退率を割り出すAIの学習用素材にされていたようです。

またリクナビといえば2014年にエントリー煽りで批判が殺到しましたね。サービスを利用する顧客を満足させないといけないので大変です。

マイナビという競合サービスもあることですし。

ちなみに東証一部上場企業の株式会社リクルートHD(売上高一兆円以上)によって運営されているのがリクナビです。商売敵であるマイナビは、非上場の株式会社マイナビ(売上高2000億円)によって運営されています。

エージェントはまともな求人が大多数

就活生を集めたい企業はこういったシステムを利用したい訳ですが、システム利用料だけで100万円ほど掛かります。

説明会の予約システム利用に50万円とか掛かるので資金繰りが厳しい企業には手痛い出費になります。

つまり人材採用にお金を掛けられない弱小企業は必然的にシステムから排除されているというわけです。まさに高級店に問題のある客が来にくいとか、有料ゲームの民度が高いとかと同じですね。

ハローワークの知られざる制度紹介

ここからはハローワークに存在する制度を紹介していきます。便利だけど一般には知られていない制度もあるので要チェックです。

働き始めると必ず毎月天引きされるお金の中に「雇用保険料」という項目が入っています。これは失業した際、次の就職先が決定するまで賃金の代わりに国から補助が出る制度です。これを失業給付といいます。

ちなみに失業給付の支給額はこれまで仕事で貰っていた賃金の50~80%です。これは自己都合でも会社都合でも貰えます(自己都合の場合は給付への道のりが遠く厳しいですが)

失業して失業給付を貰う

余談ですが失業して失業給付を貰うまでの道のりを簡単に記述します。就活した後にお世話になる方もいると思うので、知識は持っておいて損しません!

失業給付金を受け取る際の簡単なフロー

  1. 辞めた会社から雇用保険に入っていた証拠資料を貰う
  2. 自分の居住地から最も近いハローワークで手続きする(何度も通う必要があるため近い方が好ましい)
  3. 失業保険の受給説明会へ出席する
  4. 保険金を受け取る

 

自己都合と会社都合で失業給付の期間と受給開始が異なる

家庭の事情などの自己都合で退職した場合は給付期間は150日となります。リストラなどの会社都合での退職の場合は330日となります

しかも自己都合の場合は失業給付の申請から3か月間も支給して貰えないため、自己都合退職で失業給付を当てにすることは現実的ではありません。

2020年10月より雇用の流動性を高めるために支給されない期間が3か月から2か月へと一か月短縮されました。自己都合退職でも失業保険を受け取りやすくなったといえます。

また受け取り始めたとしても前職の給料の5割程度しか貰えません。退職した際には数か月は生きていけるだけの貯金をしておきましょう。

自己都合退職では失業給付はあてにできない

・失業給付を受け取れるのは2か月後から

・給付額も前職給料の半額程度を5か月間のみ

教育訓練給付制度は働きつつオトクに資格が取れる

就活に直接役に立ちませんが働きながらお金を補助してくれる素晴らしい制度も紹介しておきます。

教育訓練給付制度は仕事をしながら英会話・通信教育などの資格を勉強したり、弁護士や美容師、弁理士、看護師といった専門的な職業訓練を受ける場合に利用できる制度です。

教育訓練給付制度の凄いところは働きながら利用しても給付してもらえる点です。多くの人々は雇用保険=失業した人の為の保険と考えがちですが、実はコレ、国に料金を補助してもらいつつ、働きながら資格を得てキャリアアップを図れる制度なのです。

オトクすぎるのに誰も知らない使わないという勿体ない制度なのでございます。日本ってこういう知らないで損する系の制度多いですよね。

2019年10月に対象となる講座が更新されました。厚生労働省の掲げる最新の教育訓練給付制度の対象講座一覧はこちらです。

興味のある方はぜひ近くのハローワークに話を聞きにいってみましょう。

・失業給付を申請し、失業後の生活を安定させる

・新卒応援ハローワークを利用し、就活を有利に

・教育訓練給付制度を申請し、格安で美容師や看護師などの資格を取る

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