就活インターンを攻略する

インターンとは
広辞苑では「実務能力の育成や職業選択の準備のために,学生が一定期間,企業で仕事を体験する制度」と定義されています。
日本におけるインターンは就職前に仕事を体験する場というより、就活の前哨戦という位置づけが強いです。
企業側はインターンのアレンジに巨額の費用が掛かるため、少しでもよい人材を囲い込みたい思惑があります。学生側は顔を覚えて貰って採用に繋げたいという思いを持って挑みます。
メーカーの就活インターン詳細
就活の前哨戦であるインターンは夏季と冬季の開催です。
インターン種類 | 実施時期 | 実施日数 | 人数 | 当選確率 | 就活への寄与 |
夏季 | 7月 ― 10月 | 数週間 | 少ない | 低い | 中~高 |
冬季 | 12月―2月 | 1-3日 | 多い | 高い | 低~高 |
夏季インターン
・OJTでの社員と密接なコミュニケーション
夏季インターンでは採用人員が少ないことから”狭くて深い”実習を経験できます。
よくある「新しい事業を企画する」などの机上の空論のディスカッションではなく、実際に上市に向けて動いているプログラムに参加する経験が出来るのが面白いところです。
もちろん知識0なので単純な雑務をこなすのがメインでしょう。しかし担当者の苦悩や現場での空気感を肌で噛み締められるのは大きな財産になります。
参加するチャンスがあれば積極的に応募しましょう。
観察すべきポイント
夏季インターンでは、まず仕事の中身や内容が想像通りかを確認しましょう。
次に内部の人間関係やいざこざには目を光らせてみて下さい。大抵は課に一人ぐらい意固地な人間や仕事をサボる人間がいます。それがいかにプログラムの進行を妨げるか、不和を生むか、を観察しましょう。
大企業でも中小企業でもどこでも同じような問題を抱えています。。
冬季インターン
・会議室で座学がメイン
・参加者には採用面で優遇アリ
冬季インターンは夏季に比べると実施企業が多くで何かしらの形で行われます。大抵は1dayの開催であり、内容はグループ作業、および一足早い”説明会”です。
就活の早期化に従って冬季インターンを就活生の囲い込みに利用する企業が増加しています。冬季インターン参加者のみ対象に早期面接を行う企業も多くありました。
狙っている企業なら就活の前哨戦として参加するべきです。
ただし冬季でも数週間に及ぶOJT形式の研修の場合は内定確率を上げるチャンスです。積極的にアピールしていきましょう。
観察すべきポイント
冬季インターンではグループディスカッションや発表がメインです。人事などは社外相手にポーカーフェースをするのが得意なので、社内の雰囲気を探る役には立ちません。
そこで技術職の人間たちとの交流を利用しましょう。必ず交流する機会は設けられているので、そこで周りの人間関係を直接聞いてみてください。
「仕事で人間関係でスムーズに進まないときはないですか?」と質問をしてみましょう。大抵は簡単に吐露してくれると思います。
本当のインターンは夏季開催のみ

夏季と冬季ではそもそも就活生の世話を担当する部署が違います。夏季インターンではそれぞれの技術部が直接指導しますが、冬季インターンでは人事や総務の人間が出てきてお話します。
人事や総務が出てくる時点で実質的にはインターンでも何でもないです。採用が絡んでいることが丸わかりですから。
冬季インターン:人事や総務の教育関連の人員
夏季インターンで採用確定の可能性も
OJTにおいて思考や言動が優秀だと判断されると、部署から直接人事の方に掛け合ってくれます。そうなれば採用されたも同然です。
部署側も仕事内容や知識を教え込むコストが掛かっています。だから来た人間が優秀ならそのまま採用してしまいたいのです。
そうすれば部署側も「どんなヤツが来るのかな」と不安にならず済みます。このwin-winが成り立つのが夏季インターンで採用が確定する典型的なパターンです。
1dayインターンで個人のアピールは難しい
そもそも居合わせた人事担当者が評価を付けていない可能性もありました。少なくとも筆者の周りで、1dayの冬季インターンで採用が確定したなんて聞いたことがありません。
もちろん採用面では若干有利になることが多いです。したがって 出席に意義があると考えていいでしょう。
ただし冬季でも数週間におよぶ長期インターンでは、採用への近道である可能性が高いです。積極的にOJTなり雑務なりを任されるでしょうから、積極的に取組みましょう。
夏季インターンについて詳細を解説した記事を置いておきます。ご興味があればお読みいただければ幸いです。
夏季インターンシップは就活の前哨戦 夏季インターンシップは初めて企業を見始めた就活生が人事担当者とファーストコンタクトする機会となり、その特徴は以下になります。 夏休み中にある就活本番と同様の面接が経験できる期間が長い (1週[…]
インターン応募方法
インターン応募には履歴書とエントリーシートの提出が必要です。
履歴書は簡単ですが、エントリーシートは書式も知らない就活生が書くと改稿の嵐で数週間は掛かります。
インターンの応募締切は夏季・冬季ともに実施時期の約2か月前です。
エントリーシート準備は4月頭までに行う

上表は一般的なメーカーへ就活した際の日程ロードマップです。まずは夏季インターンに向けての資料作りが出発点になります。
就活の早期化に伴って企業も夏季インターンの応募締切日を前倒しすると考えると、エントリーシートの準備は4月頭までに終了させるのが大切です。
ちなみに「終了させる」とは、就活に知見のある人に見て貰って推敲を重ねて練り上げた文章が出来ているという意味です。
日程から逆算すると、遅くとも3月初旬にはエントリーシート項目を埋める文章を書き始める必要があります。
長期インターンの選考は就活より厳しい

長期インターンを実施する企業は多くないため、多くの学生が一つの企業に集中します。すると倍率が実際の就活の数倍にも跳ね上がってしまいます。
定員7名のインターン募集に1000人が応募することもよくあります。
いくつも申し込んで一つも合格できないこともあります。確率なので運がなかったと思って諦めましょう。
現に一つも合格できなかった筆者が内定貰って働いているので大丈夫です。安心してください。
自分を観測手として見るから不安になるわけです。
自分も苦悩している学生のうちの一人だと思って行動をしましょう。みんな同じ気持ちを抱えている仲間です。就活というイベントを一緒に楽しむつもりで!
インターン実施企業は大学内で探す
企業がインターンを企画するのは採用活動の一環であり、選考は学歴フィルタが適用されてしまいます。したがって背伸びをした企業に応募しても面接もさせて貰えないという事態になりがちです。
そこでインターン企業は自大学に来ているインターンの募集広告で探しましょう。就職課付近にあるコルクボードによく貼ってあります。
大学にインターン広告を置く企業は、あなたの大学を採用ターゲット校としてみているということです。その広告を出している企業ならインターン選考でもいい勝負できます。
目指す企業のインターンがない場合
企業HPから直接応募しましょう。応募方法は担当者宛にメールを送る形式やマイナビ・リクナビからマイページを作る形式などです。
インターン広告が来ていなくても可能性はゼロではありません。もし落選してもガクチカなどの就活用テンプレートという財産が残ります。行動した者勝ちなのです。
就職四季報は企業研究とインターンシップ攻略を一気に出来るのでお得な一冊です。ただ筆者の経験上は無くても困りません。お守り程度です。
企業には採用しているレベル帯があります。旧帝大しかとらない企業、MARCHを積極採用している企業など多種多様です
採用実績校のレベル帯を就活四季報などで確認し、自身の大学のレベルと比較してみましょう
自分より上位の企業を狙うと門前払いに会いやすい
インターンで給料は出るのか
メーカー系では給料は出ないです。それは数週間のインターンでも同じです。
IT界隈では長期インターンになると給料が発生する企業があります。日本だとLINE株式会社、アメリカだとFacebookなどが好例です。
ITは個人の力量が如実に出ますが、メーカーでは社内で仕事の運び方を習わないと成果に繋がらないのが原因と捉えています。
エントリーシートを記述する

エントリーシートは企業によって形式が異なります。つまり企業ごとに設問も記述する行数も違います。
一見すると対策は難しそうですが、企業の設問はどれも似たり寄ったりで、必要な文字数が違うだけです。
そこで一つの設問に対して100文字刻みで500文字まで5パターンの回答例を作成しておきます。
すると企業へのエントリーが丁度いい長さの文章をコピペするだけの作業になります。テンプレを用意しておくと、何社でも短期間でエントリーすることが可能になります。
・研究概要
・学生時代に学んだ専門分野や、研究に対する取り組み
・どのように研究に取り組んで何を得たか
・学業や研究以外の活動で、学生時代に力を注いだこと
上記のエントリーシート記入例以外にも多種多様な設問があります。事前にすべての回答例を網羅しておけば、就活は圧倒的に有利に進められます。詳しくは次の記事をご覧ください。
就活の早期化により就活資料の準備をさらに急がねばならない状況にあります。とくに理系院生ではガクチカに加えて、研究概要の説明資料を作る必要があります。 夏のインターンまでに就活資料を作る 就活の前哨戦として夏と冬にインターンがあ[…]
インターン後は就活企業を選定しよう
インターンの醍醐味は就業体験だけでなく、居合わせた同期との情報交換にもあります。他人の視点や意見を取り入れることで違った価値観が生まれることもしばしば。
インターンに参加出来てなくても気持ちを切り替えて就活準備に邁進しましょう。やるべきことを下記に列挙します
- エントリーシート内容の磨き上げ
- 応募予定企業の更新
- TOEICや資格の取得
- 面接練習
就活の準備に役立つ記事をご紹介。
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