メーカーの労働環境はホワイトか

メーカーはホワイトな企業が多いといわれます。しかし全体としてホワイト寄りなだけで、部署によってブラックとホワイトが混在しているのが実情です。

ryunnもホワイトな環境を求めてメーカーに入った一人ですが、残業40時間ぐらいやってます。プログラムが多くてブラックな環境になっており、残念ながら疲弊しています。

ブラックか否かは、扱う製品やプロジェクトの状態、職種によって違います。

本稿ではホワイトな環境を目指して化学メーカーへ就職を目指す方に向けて、ホワイトになりやすい要素を伝えたいと思います。

メーカーの研究職は超ホワイト

メーカーがホワイトというイメージは研究職から来ています。

扱う製品に関係なく、研究職なら残業数時間~20時間程度でしょう。ryunnの同期でも研究職に運よく就けた者は口を揃えて残業一桁といっています。

研究職は大手化学メーカーならばドクターや旧帝大の修士で6割程度が埋まってしまいます。

多様性を求めて残りの4割にその他の修士学生が割り当てられるイメージでしょうか。残りの修士たちは生産技術や開発、品証などに回されます。この中で最も研究に近い位置なのは開発です。

理系修士が配属される職種
・研究職
・開発職
・生産技術職
・品質保証職

開発職はホワイトとブラックの狭間

開発は既存の製品や技術をお客さんが欲しがる形にカスタマイズし、お客さんと一緒に進んでいく仕事です。当然ながら納期が存在しますので下記の方程式が成り立ちます。

納期が存在する = 納期に間に合わないと残業のオンパレード

開発は研究に近い業務ができるので研究したい人は楽しいでしょう。

ただお客さん対応ばかりに追われると大変です。とくに基礎や応用研究は先を見据えているため、直近で必要なものでないことが多いです。

その結果、直近のお客さん対応ばかりに時間を取られて本末転倒になる事例が多いこと極まりないです。

メーカー開発職がホワイトかブラックかは以下の要素によって決定されます

・自分が担当する製品がいくつあるか
・製品は切り替えサイクルが早いか
・赤字部署か否か
・人が足りているか

最悪なのは、人が足りておらず、赤字部署で人が補充できず、製品サイクルが早い事業部の開発です。

大手メーカーでも冗談なしで残業60時間は軽く超えてくるので、労働監督署もびっくりのブラックさになってしまいます。

生産技術職は心が休まらない

生産技術職も残業がかなり多いです。なんせ新設備の導入や立ち合い、既存設備の改造からメンテナンスまで何でもござれです。

新設備の導入は設備が動いている平日は試運転などがやりにくいため、日曜日に出勤して立ち会うことが平気であります。

また工場の既存設備は生産能力を少しでも上げるために365日24時間稼働しているのが通常です。休日に設備不良が発生し、現場の直接人員が対応できなければ容赦なく呼び出されます

休日もくそもない状態になることもあってメンタルヘルスにも悪いです。

ただ自分の提案で数億円の製造装置を導入したり、数千万円の分析装置を入れたりする裁量があるのが楽しいところ。また機械弄りが好きな人も向いている職種といえるでしょう。

品証はホワイトな場合が多い

品証は化学メーカーから不良品が出ていくのを防御する最後の砦です。大きな責任が求められますが、品質管理の仕事自体は製品を抜き取ってきて検査するだけなので楽です。

ただ開発と同様に人が足りていない場合は、一人で何十種類の製品も分析担当することになるので残業は自ずと増えます。外部からの委託分析依頼もこなす必要があるため、開発と同様に納期を気にする機会があるのも特色といえるでしょう。

会社によって製品ごとに分析担当者を分けていることもあれば、色々な製品がごちゃ混ぜになって担当者にくることもあります。分析方法も製品種類によって最適方法が全く異なるため、新人のうちは覚えるのに苦労するかもしれません。

不良品対応に追われると厳しい

品証は製造メーカーの最終防衛ラインです。クレーム対応なども品証が行います。したがって大きなクレーム案件が舞い込んだ場合は残業時間が増大する可能性が高いです。

とくにニュースに報道されるような不祥事を自部門が起こしたりすると、大変な苦労が発生します。

忙しさは扱う製品も左右される

上流から下流まで多岐に製造する総合化学メーカーもあれば、どちらかに特化している化学メーカーもあります。

このなかで機能性素材関連製品はホワイトになりやすいです。独自技術で勝負しているので「使いたきゃ使えばいい」という殿様商売が案外通用する業界です。他社も競争しようにも同じ機能が出せないので、競争しようがありません。

これが化学素材メーカーがホワイトといわれる理由だと思います。

技術的なメリットのない製品を扱う部署はブラックになりやすい

逆に独自の技術もなく、スケールメリットもないコモディティ製品を扱っている部署は競合との値段の勝負になるため、激務になりがちです。

そこに新陳代謝が激しい製品という条件も入るともう大変。色々なグレードの製品において納期を厳しく要求されます。

とくに自動車部品・電子部材系は既知の技術が多く、アイデアやちょっとしたタイミングの差で勝負が決まります。新製品へ移り変わるサイクルもとても速いため、顧客の要求も厳しくて激務になりがちです。

こういった業界に知らずにメーカー=ホワイトと思っていると、やけどするので気を付けましょう。

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