給料から天引きされる税金

”社会人になったらお金を稼いで好きなように使える――実際に就職するまではある程度の夢や希望を抱いていたんです。

ですが想像以上に毎日キチンと働くということは難しいことです。

特に研究室時代と比べても手を抜いて長い間休憩したり、ダラダラやったり出来ないことが辛いです。大学の遊んでいた時期と比べると天と地ほど差があります。

頑張って働いた給料も2割は国に税金として天引きされます

では給料に対して掛かる税金の種類を下記に示していきたいと思います。

給料から税金を天引きした額が手取り

月の給料から税金の天引き分を引いた額が手取りと呼ばれます。

院生だとどこの企業でも大概は23~25万円程度で月の給料は横並びですので、天引き後の手取りは20万円に届かないくらいでしょう。

また夏のボーナスは0.5-1か月分。冬は満額で2-2.5か月分ぐらい貰えます。

4月入社-翌年3月の一年間で考えた場合は手当諸々を含めると400万円程度の年収となります。

しかし全額が手元に入るわけではなく、下記に示すような税金や健康保険料が年収から毎月天引きされていきます。具体的に何が天引きされているのかをみていきましょう。

社会保険料金(健康保険料 + 厚生年金掛金)

社会保険料としては国民健康保険と厚生年金の掛け金があります。

国民皆保険である日本では健康保険証を提出すれば誰でも3割負担で病院の治療を受けることができます。

70歳以降の人は2割以下の負担です。毎月給料の5%が健康保険料として天引きされます。

厚生年金掛金は文字通り65歳以降に支給される年金です。

昨今では年金資金が不足しているためマクロスライドで支給額や支給日がどんどん後ろ倒しになっています。徴収される額もじりじりと上がっていましたが、現状では毎月給料の9.15%で固定されています。

厚生年金は払ってるのに国民年金は払ってない?

給料の明細を見ると「厚生年金」という文言で給料から天引きされているため、「国民年金を払ってないんじゃないか?」と疑問を抱く人もいると思います。筆者は疑問に思った人です。

しかし実は”厚生年金= 国民年金・厚生年金のセット” です。国民年金も勝手にちゃんと納められているのでご安心ください。

給料から天引きされた額と同額を会社が払ってくれています。つまり実質的には給料の18.3%で国民年金と厚生年金を払っていることになります。

ちなみに国民年金は20歳を超えた日本国民は全員必ず支払わねばならない保険になっています。会社員や公務員のように厚生年金を払っている人は第二号被保険者と呼ばれます。

第三号被保険者とは家計の主たる働き手の扶養に入っている人のことです。

なんと第三号被保険者は主たる働き手の人の厚生年金から当人の国民年金が支出されるようになっています。

要するに国民年金分のお金を免除されているようなものです。

 

雇用保険料の計算方法

失業した際に失業給付金を支給してくれる制度です。収入が0にならないために国が作ったセーフティネットですね。 毎月給料の0.3%が天引きされます。

厚生年金と同じく、会社はこの額の二倍にあたる毎月給料の0.6%を我々のために払ってくれています。

実際に失業した際の給付額はこれまで貰っていた年収に比例して多くなります。

基本的にはこれまでの年収を日割してo.6を掛けたぐらいの金額を毎日貰えるというイメージです。

仕事を辞めて失業給付を受ける前にやるべき行動

真っ先に福祉課で家賃補助制度の申請を行いましょう。ハローワークや仕事探しよりも優先です。最優先で行うべきです。

家賃補助制度とは

離職2年以内で65歳未満の住居を失う恐れのある場合に、一定期間の家賃相当額を給付してくれる制度

再就職に向けた活動を行おうとしていることが条件となる

 
ちなみに家賃補助制度は収入がないこと前提の制度です。
先に失業給付金を受け取ってしまうと申請できなくなります。ご注意ください!
 

「自己都合」と「会社都合」では給付条件が異なる

会社にリストラされた場合は特定受給資格者となり、加入期間の長さに関わらず支給されます。しかし自己都合で退職した場合は、雇用保険加入期間が1年以上ないと支給を受けることができません。

第二新卒などで別企業を目指すとなった際に役立つ知識なので覚えておいた方が無難だと思います。

住民税とは

前年(1-12月まで)の年収を基準として天引き額が変わる税金です。300万円以上の年収がある場合、計算式として(年収-200万円)×0.1と考えておけば住民税概算が簡単です。

例えば年収400万円だと年間20万円を12か月に分割して翌年の給料から天引きされることになります。前年度の年収に対する税金なので一年目は住民税0円です。だから手取りで貰える額も一年目はかなり多かったりします 笑

ちなみに住民税の計算は1月ー12月の給料で行われます。そのため二年目に天引きされる住民税は本来の75%になると考えましょう。

社会人2年目は若干の給料アップとボーナス二回分が満額で入ることから50万円くらい収入は上がります。ただ住民税の天引きがあるので、手取りはあまり変わらないことが多いです。以下にモデルケースを記載します。

天引きされる住民税のイメージ

社会人一年目:年収400万円  住民税0円
社会人二年目:年収450万円  住民税12万円  (320万円-200万円)×0.1
社会人三年目:年収470万円  住民税27万円  (470万円-200万円)×0.1

新卒1年目の住民税は前年度のバイトの収入から換算

時間のない中でバイトをしていた人もいると思います。前年年収(1月ー12月)が100万円未満なら基本的に住民税はかかりません(居住地により96万でも掛かるときあります)。

住んでいる地域によって払う住民税はさほど変わらない

所得割(市町村民税6%・道府県民税4%)+均等割(市町村民税3000円・道府県民税1000円)

所得割はどこに住んでいても全く同額の10%取られます。そしてまれに額が異なるのが均等割の4000円です。自治体によっては森林保護税みたいなのを100円とか乗っけてくる場合があります。

まあそれで出る金額の差は年に100円程度のものです。気にするレベルのものではないでしょう。

所得税とは

所得額に比例して天引きされる額が多くなる税金です。累進課税と呼ばれています。我々のような新入社員の場合、年収330-690万円に収まることが殆どですので、下式を用いるだけで徴収される年間所得税が計算できます。

(年収-諸々の控除)×0.2 ー 427500  円

住民税とは異なり、所得税は当該年度の所得に対して発生するものです。つまり働き始めた瞬間から所得税は天引きされることになります。

住民税と異なり概算が面倒なので、下記に一年を4月入社ー翌3月までとした際のモデルケースを示します。

  • 一年目:年収400万円  所得税 10万円
  • 二年目:年収450万円  所得税 14万円
  • 三年目:年収470万円  所得税 15万円  

手取り金額の計算方法

様々な給料天引き項目を見てきましたが、最終的に手取りとして幾ら残るかは年収に0.8を掛ければ概算できます。これは月収もボーナスも手取り額を見積もるときに簡単に使えます。

友人などで手取り○○万円だったといわれたら、それを1.25倍すれば額面で貰っている金額が算出できます。

企業は従業員に給料の倍はお金を払っている

税金や企業が納めている金額をみて、税金やらなんやら天引きされまくっているという事実に気づきます。

サラリーマンの給料は自営業のように偽りのない数字で出てくるため国としても税金が取りやすいです。サラリーマンの宿命ですね。避けられないので嫌でも公明正大をモットーとする聖人的な税申告になります 笑。

また厚生年金や雇用保険料のように、実は企業が我々の給料以外の福利厚生にもお金を払ってくれていることも気づきます。それ以外にも業務での貸与品だったり、交通費や家賃補助さえ従業員のためにお金を払っています。

だから従業員を一人雇うにしても、会社にすれば支払う給料の倍ぐらいのコストがかかります。

仕事はしんどいかもしれませんが、案外企業は自分にお金を払ってくれていると考えると少しやる気が出てくるかもしれませんね。

個人の貯蓄はなかなか増えない

企業はお金をたくさん払ってくれていますが、税金で大半が持っていかれています。実際に手取りとして懐に入る金額は微々たるものです。

このお金で商品を購入するときに消費税やら酒税やらの税金がかかるのは悲しくなってきますね。

税金に抗って効率的に貯蓄を増やすために出来そうな作戦を、以下の記事で紹介しています。世知辛い社会に押し潰されないように自衛手段を準備しましょう!

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