【衝撃】化学メーカーの米国駐在員と現地採用者の年収差

ryunn

アメリカと日本ってどっちが年収高いの?

助手ちゃん

アメリカの年収が圧倒的に高いよ。でも物価の違いを考慮した実質賃金だとあまり変わらないかも

海外出張中にアメリカ駐在中の社員とお話しする機会がありましたので、日本とアメリカの年収の差を記載します。

化学系で就職すると海外で活躍する方も多いので、年収差を知識として知っておいた方が良いです。とくに大企業は海外売上が多いので。

日本の駐在員とアメリカ採用社員の年収

日本人駐在者は日本在勤時の給料をベースに年収が決まります。しかしアメリカで正社員雇用された場合は、アメリカベースなので年収が異なります。

大概はアメリカベースの方が年収が高いです。

ただ駐在者は医療や住居面で、会社制度を使って豊富な補助を受けられます。したがって総合的には駐在員の年収がわずかに低いぐらいに落ち着きます

駐在員は高額医療費を保険でカバーできる

有名な話ですがアメリカの医療費はとても高いです。多少の傷病ならドラッグストアで薬を買って治そうというのがアメリカに住む人たちの考え方です。

例えば街中で急に倒れ、気づいたときには緊急手術が終わっていた状況を考えます。

この場合は手術費用として数百万~数千万円の請求がされることになります。救急車が5万円、病室利用料が数十万円、手術費用が数百万~数千万円というイメージです。

アメリカでは企業が社員向けに保険を提供する場合が多いですが、提供がなければ自分で民間保険に加入するしかありません。

日本人がアメリカで暮らすうえで一番厄介なのが歯科医です。ちょっと歯を治療してもらうのに麻酔をうつと、一本で数万円を請求されます。駐在者だと補助によって2割負担などで済みますが、それでも治療一回で1~2万円ほどかかります。

日本では福祉である医療は、アメリカではビジネスです。持たざる者は淘汰されて命を落とします。

ボーナスの概念がある

アメリカでも年2回のボーナスが支給される企業もあります。

アメリカでは企業はステークホルダーの共有物という意識が根付いているため、業績に応じてボーナス支給の有無が変化するというイメージです。

日本のように取締役員に私物化された企業ではないため、利益を内部保留としてため込まずに飛躍のための投資と株主への還元に回す考え方ですね。そういう点はアメリカ企業素晴らしいです。

物価を考慮した実質年収は両者とも大差なし

アメリカの大卒平均年収は5万ドル程度ですが、良い給与の職に就ける人は限られています。同様に大卒で上手く就職できた日本の新卒学生がもらえる年収が400万円程度です。

1ドル105円で単純比較するとアメリカの方が年収が高いですが、各種サービスの料金が異なるので一概に実質賃金として大小を付けるのが難しいのです。

例えば食品はアメリカが圧倒的に安く、外食や住居に関しては日本の方が安いです。

外食はアメリカが1.5倍くらいするほどバカ高いです。彼らにとって外食は特別な日に取る食事であって、日本のように気軽に入るものではありません。日本の場合はサービス業の待遇が悪すぎて外食が安い状態になっていますが……。

実質年収に無理やり落とし込むと日本とアメリカでは大差ないと感じました。またアメリカは州によって消費税が異なるので、どこに住んでいるかで支出額が大きく異なります。

忘れてはならないのは、大卒平均年収は一部の数千万円の所得者が平均を引き上げていることです。特にアメリカは日本よりも中央値がひどいので平均年収を語っても意味ないかもしれません。

アメリカ大学生はインターンの年収が凄い

多くの大学生が在学中に企業インターンに参加して半年や数年スパンで働く。その単価は時給15ー20ドルほどであり、優秀な学生だと25ドルほどの時給になる。

そのため大学に行きながら年収6万ドルとかの人間もいます

典型的な学歴社会であり、優秀な大学生は在学中にインターンで作ったコネでインターン先や関連会社に口利きしてもらって入社するのが通例。コネ入社はめちゃくちゃ多い。

よくあるのはインターンをやりつつ、より良い条件を出す他企業のインターンを探して飛び移る方法。学歴があって優秀な学生はこの方法で様々な職を経験し、キャリアを積んで自分という人間の市場価値を上げていく。

優秀な人間が欲しいアメリカ企業も良い待遇を出してくるので次々にステップアップしていける。

だがこれは学歴があって優秀な人間の話。完全な実力社会であるアメリカは学歴がなくてスキルもない人間は就職に苦労する。日本のように平均的な人間を作り出す教育プログラムではなく、一部の天才を作り出すような教育であるため。

日本では高校までカリキュラムが予め決められており、自分で選択する機会はほぼ皆無というシステムです。だから他人に依存して何も考えられない人間が多数生まれる

アメリカでは中学校から単位制のカリキュラムがはじまります。

そのため「自分で考えて講義を選択して管理する」経験を幼少期から積むことができる。自分で意思決定する経験は思想や性格、思考といった人間性に良い影響を与えるので、日本でも普及してほしい。

ryunnも出来れば意思決定の経験をもっと早く経験したらよかったと後悔している。

年収による貧富差は社会問題

実力至上主義的なアメリカで貧富の差が広がることは予想に容易い。

新卒就職率は日本が85%ほど。就職氷河期と呼ばれた時期でさえ60%程度でした。

しかし同じ就職氷河期にアメリカでは新卒就職した人は48%となっており、日本より輪をかけて貧富の差が開いています。下部にニュースへのリンクを置きましたので気になる方はどうぞ。

考慮すべきはアメリカは新卒一括採用なんて欠片も実施していないこと。学生はインターンなどでお金を稼ぐ方法があるため、日本のように「卒業とともに正社員としての採用されなきゃダメだ!」という観念はないのです。

より良いオファーが来るまで正社員にならずにインターンで過ごす学生も多いです。ただスキルや学歴のない者に厳しいのは確かなので、貧富の差は間違いなく広がっています。

管理職の年収が毎年上昇していく

年収の上がり方も日本と比較すると面白いです。終身雇用の日本では簡単に解雇できないためか(最近は容赦なくリストラしますが)、課長などの管理職になると給料の伸びがなくなります。

また課長職以上で裁量労働制に移行するため残業も付きません。

対してアメリカは雇用期間中は毎年数%給与が上昇します。驚くべきことにマネージャーや社長などの管理職クラスになっても給料がうなぎ上りに上がり続けます。

まさに富むものはさらに富み、貧者はさらに貧しくなる。アメリカンドリームといわれるゆえんですね。

日本人駐在者は精神を病む人が多い

日本人駐在者で現地になじめずに精神を病む人が多い。日本人は寡黙で小心者が多いので、おおらかで感情表現豊かな欧米人とは馴染みにくいようです。

駐在中に日本に帰って転職する人間は、以下のポジティブとネガティブの二パターンあります。ちなみに圧倒的にネガティブな退職例が多いです。

アメリカンドリームを夢見る学生さんは精神を病まないように対策して、アメリカでの気ままな生活をつかみ取りましょう 笑。

ポジティブな退職例

海外支社で裁量があって楽しかったが、日本に帰ると裁量がなくなるので退職

ネガティブな退職例

・精神を病んで日本に帰国後に海外駐在のない企業へ転職

・家族や親の関係でやむを得ず日本に帰るために会社を退職

アメリカと日本の年収差 まとめ

・駐在員とアメリカ現地採用では後者の待遇が少し良い・アメリカの優秀な学生はインターンで凄い年収を稼ぐ・アメリカでは管理職でも年収がうなぎ上り

・日本人は馴染めずに病む人が多い

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