夏季インターンシップは就活の前哨戦
夏季インターンシップは初めて企業を見始めた就活生が人事担当者とファーストコンタクトする機会となり、その特徴は以下になります。
- 夏休み中にある
- 就活本番と同様の面接が経験できる
- 期間が長い (1週間~1か月)
- 実業務に近い内容や思考法を経験できる
参加できれば内定は近づく
企業側もわざわざコストを掛けてインターンシップを企画しているため、輝く学生がいれば拾っておきたいのが本音です。そんな学生には社員がリクルーターとして個別にアプローチして、会社に入ってくれるようサポートします。
大企業でも社内的にリクルーター制度を設けているところも多いです。ryunnもリクルーターを行ったことがありますが、学生を見る際には以下のようなポイントを重点的に見ていました。
- 積極的に議論に参加しているか(役割はなんでもいい)
- 自分の考えを持っているか
- 相手の意見に対して否定的なコメントをしていないか
グループディスカッション攻略

グループディスカッションはインターンでの定番行事です。
まずリーダーとタイムキーパー、書記を決めてテーマに沿った意見を誰かれ構わず出しまくるのが大切です。始まって数十分で活発に案だし出来ている班とそうでない班に分かれます。
周りにいる評価を付ける人間たちは誰がどのように物事を動かしているのかも当然ながら観察しています。積極的に自分の意見を話せるように、また話しやすいような雰囲気づくりを心がけましょう。
とにかく意見を出しやすい場を醸成することが大事なため、簡単に否定意見をぶつけるようなことはしてはいけません。
ディスカッションでの役割分担
リーダーは満遍なく意見が出るように話していない人に会話を振りましょう。発言をしない人間は会議には必要ありません。必ず全員で会議に参加する必要があります。
タイムキーパーは時間を区切るだけでなく、配分を考えて急かしたり熟考させたりと調節しましょう。時間内に作業が終わらなければ、それはリーダーではなくタイムキーパーの責任でもあります。
夏季インターンシップの特色
数日から数週間におよぶ長期インターンがほとんどです。内容は思考力を試し養うような企画型であったり、実際に研究所で社員さんの実験補佐(入社1年目の仕事)をするOJT型であったり。
企業ごとに色があって濃い内容となります。
社員との懇談という面も兼ね備えているので自身をアピールできるのはもちろん、普段の研究室と全然異なる仕事を経験できます。貴重な経験値ですので出来れば参加したいところです。
それだけ労力とコストをかけるため、企業側としたら有望そうな学生に参加してもらいたい。したがって当然ながら面接をして学生のふるい落としを行います。
大手メーカー企業だと競争率は20-100倍
私も二社の化学系メーカー企業に出しましたが、一つはエントリーシート、もう一つは面接で落とされました。友人は4つほど出して一つはインターンシップ参加に成功しました。
本選考での採用枠よりもインターンシップで受け入れする人数は少ないのが普通です。
つまり夏季インターンシップでは本選考よりも競争は激烈になります。この事実は頭に留めておいたほうがいいです。 受からないという心づもりで臨みましょう。
夏季インターンに参加できなくて当然
「自分だけインターンに何通も送っても全然参加に至らない。本番の就活でもどこにも受からないかも」――と焦る気持ちも分かります。
ryunnも二つ落ちた時点でそんな思考が頭をよぎりました。
しかし本選考も苛烈なことには違いありませんが、まだ競争が緩いです。しかも幾らでも応募企業は増やせるので諦めなければどこかに決まります。無駄に不安にならないよう注意しましょう。
夏の時期には興味がありそうな会社を物色しながら、どっしりと構えておくぐらいでちょうど良いです。
インターンシップ参加までの選考過程

インターンシップ選考はまず指定された形のESを提出し一次審査。一次審査は最長でも二週間程度で結果が返ってくるのが通例です。
一か月とか返信が来ない場合はほぼ100%落選しています。悲しいですが経験上間違いないです。
ESを通過すれば本選考と同等に面接に呼ばれて参加者が決定されます。人気のある大企業では参加希望者が多数いるため、面接が2回ほど行われることもあります。
さて上述したように私は大手素材メーカーにインターンシップを申し込み、エントリーシートは通りましたが、面接で落とされました。
振り返ってみて面白いのは、その時に受けたインターン面接が就活中に体験した面接よりも厳かな雰囲気だったことです。
採用担当者も学生とのファーストコンタクトなので採用面接並みに気合いが入っていたのかなと思っています。
初めてのオフィスで採用担当者とお話しして、部屋に案内されて待たされて心臓が脈打ちました。そしてドラマでよくある社長室のような場所で面接をされ、出だしで言葉が上ずりました。笑
インターン面接は本番以上の緊張感があります。
大学生は本気で選別しようとする面接を経験したことがありません。筆者もインターンシップに落ちはしましたが、この経験が他の就活生よりも有利に立ち回る財産になりました。
夏季インターンシップは2-3社の申込でよい
自分が気になってる2~3社を申し込めば良いと思います。
全て参加できればベストですが、そんな上手く面接通過できれば苦労しません。
面接が得意な人は少な目に、不得意な人は多めにインターン面接をすればいいです。
またESがなかなか通らないよ、という人は先輩や教授、大学の相談窓口などで添削してもらって下さい。酷い文章を書いていることが多いので。
少数募集の夏季インターンシップへの参加は内定確定か
結論をいうと内定率は50%といったイメージです。企業によりけりです。
某大手化学企業で5-6人くらいしか募集のないインターンシップでは、参加者のうち内定を貰ったのは3人でした。彼らは就活解禁後すぐに最終面接に呼ばれて、軽く雑談して握手するだけで内定確定だったようです。
しかし別の大手某化学企業で少数のインターンに呼ばれた同期はきっちりと面接されて落とされました。
インターンの重要度は各社によってマチマチです。しかし参加することで社員と仲良くなって、個人的に連絡が来た人もいました。
担当者との相性で夏季インターンシップの合否が決まる
裁量を持つ担当者が貴方を気に入るかに掛かっています。残念ですが意図的に気に入られる方法はありません。就活した際に痛感しました。
担当者のフィーリングで合格者が決定されるのは、学校で数字を使って優劣を決めていた学生が経験する最初の社会の闇かもしれません。
会社では性格や人当りが本人の能力以上に重要なファクターになります。大企業の有能な課長や部長は人間が出来たひとばかりなので驚きます。
人当りがいいだけで仕事しない人もいます。でも、周囲から愛されている方は思った以上に周囲からのヘイトを集めないです。
採用担当者に気に入られるには?
永遠の命題です。落ち着いている人、お喋りな人、自信に溢れる人、色々なタイプの人間がいます。気に入られる方法を強いて言うなら、相手と同じような落ち着き具合、思考回路、態度を取ることです。
人間は自分と同じタイプの人に強い居心地の良さや好印象を覚えます。
面接官ってどっしり構えて、落ち着いて論理的な思考で話ができる人ばかり。大事な場でもしっかりと考えを伝えられる人が強い印象があります。
私は緊張しやすいタイプだったので、そこまで上手く応対できませんでした。
ただ、面接をこなしていくと慣れるので、嫌でも頭の回転が早くなります。苦手な方は多くの面接を経験するようにしましょう。
書記は出てきた意見を全てホワイトボードに書きだしましょう。どんなに些細な事柄でも自分の意見が書かれる、というのは肯定感を生み出します。チーム内で必要とされていると各々が感じ、積極的な意見だしに繋がるのです。
夏季インターンシップ後は企業選別・ESの研ぎ澄ましに力を注ぐ
夏のインターンシップは自分の行きたい分野を定める場所です。疑似的な就活体験を通して社員や仕事を見聞きし、やりたい仕事をなんとなくイメージしましょう。
やりたいことが決まれば面接で志望理由を力強く説明できます。信念を持って話す人には説得力が生まれるため、就活本番での強力な武器になります。
インターンシップに参加できた人は、業務経験と照らし合わせて自分の興味ある会社を選ぶのが良いでしょう。参加できなかった人もESに書く志望動機を探すために企業HPなどで企業を研究したはずです。
その経験から自身が興味ある職種は何かを考える足がかりにしてください。
インターンシップというお祭りに参加したことでESの書き方や自己PRで紹介するネタなどを整理できたと思います。冬季インターンシップが来るまでにネタをブラッシュアップして自分の言葉で説明できるようにしておきましょう。
このように夏季インターンに参加するだけで何かしら〈アドバンテージ〉が発生します。興味のある企業ならば可能な限り参加することが大事です。
夏季インターンシップだけで採用枠を埋める企業も存在する
補足情報ですが、企業によっては夏季インターンシップで選考を終えて、就活解禁後は残りの枠の補充のみを行うところもあります。
正確にはインターンに来た人しか本選考に進めないという表現が正しいかもしれません。私が経験した限りでは財閥関連化学企業はその傾向がありました。財閥系化学企業を狙うならば夏季インターンシップに目を光らせておきましょう。
2021年頃にはインターンシップが就活主戦場となる!?
選考の前倒しが進むであろう2021年頃にはよりインターンシップを重視する必要があるかもしれません。9月修了の帰国子女採用にも力を入れだしている企業も多いので通年採用という形も想定されます。
いずれにせよ”去年の先輩よりも早めに動く”という感覚を常に持っていることが重要です。