新卒面接では数々の企業の担当者と対面します。あるメーカーの面接で実際にあった質問例に対する当時のryunnの回答と、現在のryunnならこう答えるという点を反省を交えて書いていきます。
「内定を取らねばいけない」という気持ちで面接に臨むと、質問に対する回答が企業に媚びる内容になりがちです。
蛇に睨まれたカエルになってはいけません。企業と対等な関係であり、これから共に歩むパートナーと考えて面接官と対話するのが正しいあり方です。下記の質問例が面接の参考になれば嬉しい限りです。
長所はどこ
当時のryunn: コミュニケーション能力が高いところ。研究室の友人にもよく話す人間だといわれている。
よく友人にも言われるんです、で終わるのは根拠が弱い。どういった場面で言われるかの具体例と、他人とは何が違うから長所なのかをはっきり伝える。
回答例
コミュニケーション能力が高いところです。研究室の友人に言われたのが気づいたきっかけです。そう言われるのは研究発表でも積極的に発言していたからだと思います。
発言しなければ参加している意味もないですし、たとえ的外れでも積極的に意見を言うことは尊いことだと考えています。
【気を付けたいポイント】
必ずエントリーシートの内容と一致させる。エントリーシートに書いた長所の根拠とは異なるエピソード、その長所が生まれた心がけなどを話す。最後に「だからここが長所だ!」といえるように。
基本的にPREP法(結論 ⇒ 根拠 ⇒ 具体例 ⇒結論)の順で纏めると綺麗に伝わる。
人間は10秒しか相手の意見を傾聴できないといわれています。長い回答は相手を退屈させるので避けた方が無難です。
どこで長所を生かせましたか
当時のryunn: ライブスタッフのバイトです。お客さんを満足させるために社員とバイト間でコミュニケーションを密にとって、必須事項や設営の知識を習得する必要があります。そこで活かせました。
完全に発言内容の準備不足ですね。エントリーシートに長所と書いてあったら、面接用のエピソードを用意しておくべきです。当時の私は即興で話そうとして上辺だけの中身のないエピソードを羅列しています。そりゃ落ちるわけだ。
回答例
ライブスタッフのバイトです。ライブが始まる前の運営説明が声が小さくていつも聞こえず、前列にいた見ず知らずのスタッフ数名に話しかけて情報を補完していました。また意見や質問があれば、話に行っていました。
バイトといえど分からないことを放置したくない、という気持ちがあるからだと思います。
【気を付けたいポイント】
エントリーシートに記載の質問事項は100%掘り下げられる。従って事前に耳障りの良いエピソードを用意し、自分の信条や行動原理を伝えることが大切。当時のryunnは完全に準備不足でした。
短所はどこ
当時のryunn: 心配性なところです。そうなったのは、これまで何度か旅行にパスポート忘れたり、重要な書類を忘れたりしたから。実験などでもダブルチェックを怠らないようにしています。
人事:「それって短所でもあるけれど裏を返すと長所でもありますね。ミスを減らせるし。ほかに短所はありませんか?」
当時のryunn: そうかもしれません。ダブルチェックを心掛けた今ではミスはだいぶ減りました。他には…自分の意見を言いすぎることでしょうか。
心配性という短所の理由を述べている。研究など実務面で克服する心がけもフォロー出来ているが、働くうえでどう支障になるかも話したかった。長所になるかもしれないと切り返された後に、そうですねでは物足りない。
回答例
心配性なところです。これまで何度か旅行でパスポート忘れたり、重要な書類を忘れたりしたため心配性になりました。実験などでもダブルチェックを怠らないようにしています。
「それは長所にもなるのでは?」
ドアのカギ掛けや実験機器の電源オフを何度も確認したりと、過度な側面がありますので短所だと感じています。一つひとつの動作を確実に覚えておくといった対策をとって克服に努めています。
気を付けたいポイント
切り返しがある場合に備えてエピソードを用意しておく。少なくとも鉄板の質問事項である長所と短所は各2種類はエピソードと自分の意見付きで示せるようにしておく。
今回の質問例では短所であると押し切る形で対応も可能。面接ごとに聞かれる内容はエントリーシートの質問内容で予測できるので用意しておく。
また企業理念や中期経営計画くらいは軽く覚えておきたい。製品や事業分野は自分の志望だけ説明できれば問題ない。
この製品に興味あるのはなぜ
当時のryunn: 素材のかたちが違うだけで機能が変わる化学品が面白いから。
人事「なんか印象に残っている製品ってある?」
当時のryunn: 具体的な製品は想定していませんでした
人事「当社の独自技術がすごいって言ってるけど、具体的にどんな技術に惹かれたの?」
当時のryunn: 御社のHP上に公開されているストーリーをみて書きました。
もっとも記憶に残っているのは〇〇のプロジェクトです。
機能性化学品の何がやりたいのかを具体的に語れなかった。なぜ機能性化学品がやりたいかという動機が弱く、さらに自分がやりたい分野を調べておらず準備不足。
解答例
機能性材料は分子の形が変わるだけでマクロな性能が大きく変わり、私の研究分野の知識が最も生かせると考えた。研究ではミクロな物性を扱っていたため、製品としての大きな物性を見ていく研究をやってみたい。
「印象に残っている製品は?」
〇〇という製品が気になりました。御社HPに書いてある開発秘話では結晶構造の違いに注目をして樹脂を改良したところ、欠点を克服できたとあります。私もそういった開発に携わってみたいです。
【気を付けたいポイント】
「機能性化学品に近い研究をやってた」という事実を述べるのはやりたい理由になっていない。研究をやっていた経験から、今後の自分はどうしたいのか伝えるのが大切です。
自分の意見を強化する論拠として、興味のある製品分野は把握しておきましょう。製品のどんな点が働くうえで自分にとって魅力的なのかを伝えられば完璧です。
面接質問例から学べること
・エントリーシートの質問事項は深堀出来るよう準備する
・エントリーシートの内容を踏まえつつ新しいエピソードを言う
・志望根拠をエピソードと自分の意向の二点から主張する
・製品情報は自分の意見を強化するために使う
ryunnが経験した就活面接の質問例に対する対策法として、箇条書きで纏めました。企業研究やエントリーシートを記述する際の参考にしてください。